頭痛は生体への危険信号?
痛みは生体への危険信号とも言われており、人は痛みに敏感です。痛みを感ずると、危険を感じてとっさに避けようとします。痛みはつらいものですが、身を守るための危険信号でもあるのです。

頭痛も、くも膜下出血髄膜炎のように時としてはっきりとした危険信号となります。くも膜や髄膜は脳を包むように脳を守っている組織で、出血や炎症を脳に波及させない堤防となり、また危険信号を発してくれます。後頭部を中心に、今までに経験のない強い頭痛が急に起こります。

頭痛持ちの頭痛の代表は片頭痛で、激しい痛みで寝込むことが少なくありません。この頭痛は何のための危険信号なのでしょうか?片頭痛は最初に脳の一部に小さな興奮が起こり、徐々に周囲に拡大します(閃W暗点など)。そのままでは脳に障害が起こります。そこで、脳周囲の血管が拡張し血流が増加します。脳に酸素と栄養を供給している血管が、脳への架け橋のグリア細胞を介し脳を守ると考えられます。脳の血管拡張は強い痛みを起こしますが、脳の障害を必死に守り、また危険信号を発しているとも考えられます(仮説)。

片頭痛の治療は痛みを止めるだけではありません。脳を守るメカニズムを考えた治療が必要です。


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2009.09.26.