頭痛、時々だったのに毎日起こる
頭痛のうちでも片頭痛はつらい頭痛です。ただ、一回の発作は1〜3日で治まり、次の発作まではケロッとして元気に仕事が出来ます。脳の痛み調節系が発作を最小限にコントロールしてくれるためです。この調節系が働かないと、片頭痛は慢性化し毎日起こるようになります。

脳の痛み調節系が働かなくなる原因はいくつか知られています。頭痛薬を飲み過ぎると脳の痛み調節系がさぼってしまい、そのために逆に頭痛が起こりやすくなります(薬物乱用頭痛)。その他にも、精神的ストレス、うつ状態、肥満など脳に良くない刺激が続いたときに脳の痛み調節系の働きは低下します。

片頭痛が慢性化すると「時々でなく、月の半分以上に頭痛がある」「トリプタン系の薬が効かなくなった」「仕事、家事がほとんどできない」といった状態となり、毎日の頭痛が片頭痛なのか別の頭痛なのか(例えば緊張型頭痛や薬物乱用頭痛)もわからなくなります。いつ頭痛が起こるか不安となり、トリプタン系の薬もやみくもに飲んでしまいます。

頭痛ダイアリーをつけると、頭痛の種類が自分自身で識別できるようになります。ダイアリーで見ると、連日の頭痛もひどい頭痛と軽い頭痛とが混在し、頭痛が2種類(あるいは3種類)あることに気付きます。頭痛ダイアリーは複雑になった頭痛の正体を整理するのに便利です。専門医を受診すると、頓服薬や予防薬の飲み方、頭痛体操を指導してくれます。


2009.10.20.