A 休日の朝の頭痛 (H23.3.15.)
(6)解説: 頭痛持ちの頭痛
いわゆる「頭痛もちの頭痛」は慢性頭痛ともよばれ、頭痛が長年にわたり繰り返すのが特徴である。代表的な頭痛が片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の三大頭痛である。これらの頭痛は、脳そのものや脳の血管が過敏状態におちいり、強い頭痛を生ずる。頭痛そのものが「ひとつの病気」であり、この場合、「頭痛」は病名である。」国際頭痛分類では一次性頭痛と分類される。
これに対し、クモ膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍など、脳の病気の結果生ずる「頭痛」は症状である。国際頭痛分類で二次性頭痛と分類される。
脳の病気が原因で起こる頭痛は、頭痛が起こったら、すぐ病院を受診する。MRIや髄液検査で診断がつき、脳外科や神経内科で専門的な治療が行われる。
片頭痛などの一次性頭痛は、ひどい頭痛の最中でもMRIは正常なので、必死の思いで病院に行っても検査で何も異常は見つからない。それでも、救急車で運ばれるほどの頭痛の場合は、脳の病気を見逃さないように、医師はMRIなど多くの検査を行なう。
頭痛が「片頭痛」と診断されていれば、無駄な検査は必要ない。それどころか、片頭痛には、「スマトリプタン注射薬」という特効薬があり、皮下注射をすると通常5分で頭痛が良くなり始め、30分後には魔法のように頭痛が消失する。片頭痛の7割以上に有効であり、群発頭痛の特効薬でもある。
(7)解説: 「脳の嵐」がおこる片頭痛
片頭痛の頭痛は、発作的に時々起こるのが特徴である。頭痛のないときはケロッとしており、かえって他の人より仕事の出来る人が多いくらいである。ただ、片頭痛の発作中には、半日〜3日間、「脳の嵐」がおこる。常に激しい頭痛とは限らず軽い頭痛ですむこともあるが、ひどい頭痛が起こったときは悲惨である。
「頭痛がひどくなったら、頭を首から外して、頭痛が治まるまで冷蔵庫の中に入れておきたい」
Bさんも同じように思ったことがある。「脳の嵐」は頭痛のみでなく、吐き気、嘔吐をもおこす。動くと頭痛がひどくなるので寝込んでしまう。脳が異常に過敏となり、光、音、においなどが、脳にとって耐え難い刺激となる。
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