(10) トリプタンの吸収を良くする方法
「吐き気があってトリプタンの吸収が悪かったり、頭痛がひどくなったりしたときは注射しか方法はないのですか?」
「トリプタンが胃や腸から早く吸収されて、脳の片頭痛の火元に早く届くように工夫します」
「どうするのですか?片頭痛がくるときは、ほとんどいつも吐き気も一緒に来ます」
「吐き気止めを上手に使うのがベストです。片頭痛は
まず胃や腸から来ると言われています。片頭痛の人は、子供の頃から乗り物酔いになりやすい」
「はい、私もそうでした。乗り物で良く吐き気がしました」
「胃や腸は食べた物を運ぶように動くのが正常ですが、片頭痛が始まると胃や腸の動きが止まって、ひどくなると胃や腸が逆に口の方に向かって動き出し、吐き気もします」
「確かに、痛飲んだ痛み止めを錠剤ごと吐いたことがあります」
「トリプタンを飲むときは、ナウゼリン(別名:ドンペリドン)といった吐き気止めを一緒に飲むことが原則です。胃や腸の動きを良くする薬です。さすがに、吐き気が始まったあとでは、吐き気止めも腸からの吸収が悪くなります。その前に飲むことがコツです」
「その前に飲むといっても、どのタイミングか難しいですね」
(11) 片頭痛の気配がしたら飲む
「ナウゼリン(ドンペリドン)という胃や腸の働きを良くする薬を、予防薬として飲むのです」
「予防薬って、毎日飲むのですか?」
「飲むのは片頭痛の気配がしたときです。気配がしたと思ったら飲んで下さい」
「頭痛の前に気配がすることは良くあるんですが、気配がしても、実際には頭痛のこないこともあります」
「飲んだけど
空振りだったという結果でも良いのです。この薬で胃や腸の動きを良くしておくと、もし片頭痛が始まってもトリプタンの吸収が良くなります」
「頭痛が3〜4日と長くなった場合はトリプタンを何錠も飲んでしまうことがあります。この期間中にナウゼリン(ドンペリドン)を1日3回飲み続けて下さい。多分、トリプタンを飲む回数が半分以下になると思います」
「気配がしたら飲む、期間限定の予防薬ということですか?」
「その通りです」Bさんは、このナウゼリン(ドンペリドン)作戦は役に立つかもしれないと思った。
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