頭痛専門外来

(11) 片頭痛の気配がしたら飲む


「ナウゼリン(ドンペリドン)という胃や腸の働きを良くする薬を、予防薬として飲むのです」
「予防薬って、毎日飲むのですか?」
「飲むのは片頭痛の気配がしたときです。気配がしたと思ったら飲んで下さい」
「頭痛の前に気配がすることは良くあるんですが、気配がしても、実際には頭痛のこないこともあります」
「飲んだけど空振りだったという結果でも良いのです。この薬で胃や腸の動きを良くしておくと、もし片頭痛が始まってもトリプタンの吸収が良くなります」

「頭痛が3〜4日と長くなった場合はトリプタンを何錠も飲んでしまうことがあります。この期間中にナウゼリン(ドンペリドン)を1日3回飲み続けて下さい。多分、トリプタンを飲む回数が半分以下になると思います」
「気配がしたら飲む、期間限定の予防薬ということですか?」
「その通りです」Bさんは、このナウゼリン(ドンペリドン)作戦は役に立つかもしれないと思った。


(12) 片頭痛の予防


「先生のお話で、片頭痛が起こっても何とかなるかもしれないと思えるようになりました」
「自己注射もありますしね」
「ええ、それも看護師さんに教えていただいて帰ります。でも先生、しつこいようですが、片頭痛が治ることはないんですか?」
「もちろん、片頭痛の予防薬はいくつかあります。片頭痛の回数を減らしたり、起こっても程度を軽くする薬です」
「私には必要ないのですか?」
「月に2回以上片頭痛があれば、予防薬を飲むのが普通です。でもBさん、予防薬はもう2〜3ヶ月様子を見てからにしませんか。頭痛が起こっても何とかなる方法を自分のものにすることが第一歩です。頭痛がきても何とかコントロール出来ると安心ですよね。スケジュールが立てられるし、大事な仕事や行事が近づいてもあまり不安にならずにすみます」

「先生のおかげで、私の片頭痛に対する不安は半分以下になった気がします」
「それは良かった。今日は、またトリプタンと、それからナウゼリン(ドンペリドン)を少し多めに処方しておきます。ダイアリーも、またお渡しします。続けてダイアリーをつけておいて下さい」
「わかりました。有り難うございました」
「では、また拝見します。お大事に」

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