頭痛専門外来

(5) 解説:片頭痛の遺伝子


最近の脳の研究で、片頭痛に遺伝子の異常が見つかっている。最も典型的な片頭痛といわれる家族性片麻痺性片頭痛の家系には3種類の遺伝子異常があった。いずれも脳の細胞膜の活動に関係のあるカルシウム、ナトリウム、カリウムといったイオンの動きに関連する遺伝子で、この遺伝子異常により脳の興奮性が高まる。そのために脳の一部の活動性が高まり前兆が起こることが、特殊な脳のMRI検査法で明らかにされた。
多くの病気で『体質が原因』といわれている。片頭痛の体質異常も、脳細胞の遺伝子が他の人と少し違うためであることが分かってきた。脳の科学の進歩といえる。

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