(2) 息の出来ないくらいの痛み
「『息の出来ないくらいの痛み』で、午前中はずっと横になる、とありますね。これは、辛いですね」
これが、頭痛の辛さの生の声だと医師は思った。こういったメモを見るたびに、医師は緊張感を覚える。この20年間、聞き続けてきた
患者さんのうめくような訴えだ。
「はい、時々、そんなひどい辛さの頭痛がきます」
「そういった頭痛、ダイアリーから良くわかります」
医師の言葉に、Aさんも勢い込んで話しを続けた。
「頭痛がひどいときは、部屋を暗くして、タオルをかぶり、静かにして横になっています。無理に動くと気持ちが悪くなり、吐き気がするんです。でも、子供がむずかって仕方のないことも多くて、そんなときは仕方なく主人に早く帰ってもらい、子供の世話をしてもらいます」
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